わんだぁらんどきっず3 「平家落人伝説?」 対象学年(中学年以上) *パイロット版につき後日訂正・加筆があります。 |
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もどる | 原作・脚本 福田 哲男 上演時間約十五分 |
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あらすじ | |
今年の林間学校は日光市湯西川。ここは平家の落人伝説が伝わる閑静な山間の町である。壇ノ浦で源氏に敗れた平氏一族は、日本海側から福島へ入り、ここ栃木県日光市湯西川地区に安住の地を求めたという。その時代から八百年がすぎた。 伝説なんておかまいなし!林間学校で盛り上がるご存じわんだぁらんどきっず!いざ、平家伝説の地へ! |
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キャスト | |
(人数やセリフの数は、演じる児童数によって調整してください。) ・語り部(ナレーター) ・男子・女子・地元の子 ・武将 ・従者 ・姫 ・クマ ・カッパ |
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第一章 助けてくれたのはだれ? | |
*はんてんを着て手ぬぐいをかぶり語り部が登場する。 (実際の語り部は民話を現代に語り継いでいる語りのエキスパートである。) *語りの内容は湯西川の言葉に似せて構成してあります。 |
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語り部1 | むがーしあったど・・壇ノ浦ちゅう海で戦に敗れた平家の落人たちがおったんだと。 |
語り部2 | 武将や姫や家来の一行は海を越え山を越え、この湯西川にたどり着いたんだと。 |
語り部1 | 落人たちは源氏の追っ手からかくれるように山の中に住んだんだと。 |
語り部2 | 武将たちは刀や槍を、姫たちは着物や串を平家塚と呼ばれるところに埋めたんだとさ。それから八百年の月日がたって・・・。 |
語り部1 | 湯西川にとんでもねぇ連中がやってきたと。 |
語り部12 | わんだぁらんどきっず3!まぁ、見てみんべ。 |
*幕が開く | |
*ステージ中央にはひな壇が並んでいる。 | |
*釣り竿を持った男の子たちと、飯ごうや鍋を持った女の子たちが登場。どうやら、野外調理らしい。 | |
男子1 | すげ〜!水がきれいだから魚が泳いでいるのが見えるぞ!」 |
男子2 | よ〜し、たくさん釣るぞ! |
男子3 | ふふふふふ、君たち・・ぼくの腕前を知らないね。 |
男子12 | 知らないよ〜だ! |
男子123 | ハーハハハハハッ。 |
*男子たち、顔を見合わせてうれしそうに笑う。 | |
女子1 | ねぇ、ほんとに釣れるんでしょうね。 |
女子2 | 釣れなかったらお昼のおかずはないからね! |
女子3 | 私たちは、どうせ連れないと思って・・。 |
女子123 | レトルトカレー用意したもんね〜! |
*女子たち顔を見合わせて笑う。 | |
*男子たちはひな壇にのぼり、釣り竿を客席と反対側にのばす。 | |
ひな壇の前では女子が飯ごうと鍋の用意を始める。 | |
男子1 | おっ・・・きたきたきた・・それ〜! |
*男子1イワナを釣り上げる。 | |
女子1 | ○○くん、やるじゃない! |
*釣り上げたイワナをはずしてバケツに入れる。 | |
男子2 | ぼくもきたぞ〜!! |
*サンショウウオが釣れた。女の子驚いて | |
女子123 | きゃ〜!何よこれ、気持ち悪い! |
男子2 | たぶんサンショウウオってやつらしい。焼いて食べるとおいしいって旅館の人が言ってたよ。 |
*女子2、気持ち悪そうにはずしてバケツに入れる。 | |
男子3 | ぼくの腕前を〜披露するぞ〜!! |
*なぜかクマがひっかかっている。 | |
女子123 | きゃ〜!熊じゃないの。 |
*クマ、針を自分ではずして頭をかきながら退場。 | |
*女子たち肩をすくめて | |
女子123 | クマったもんだ・・。 |
男子1 | おお・・・おおおおお・・。 |
女子2 | またクマじゃないの? |
男子1 | おおおおお・・もっと大きいみたいだ! |
*男子2と3、1を手伝う。 | |
男子2 | ○○くん、がんばって。 |
男子3 | ゆっくりひいて・・うっ!すごい力だ! |
*男子たち何か?と格闘するが川に引き込まそうになる。女子も男子たちの腰を後ろから支える。 | |
男子・女子 | あ〜あ〜・・・あああああああぁ! |
*川の中(ひな段後ろ)に全員が落ちてしまう。 | |
*ステージ暗くなりフットライト・スポットライトともに赤。 | |
*重低音が聞こえる。(オルガン・シンセサイザー等) (鈴や重低音の代わりに琵琶のCDが手に入ればベストです。祇園精舎の・・・等この場面に合うと思います。) |
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*シャリン・・シャリン・・鈴の音が聞こえる。 | |
*平家の武将と姫、従者が静かに登場する。武将と従者がひな壇の上に上る。 | |
*川に落ちた子どもたちを引っ張り上げる。子どもたちは気絶している。姫がいたわる。 | |
*全員助け上げたところで武将と姫が顔を見合わせ、うなずき合う。 | |
*鈴の音がする。 *武将、姫、従者たち退場する。 |
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*ステージ明るくなる。 | |
男子1 | あれ・・・ここは? |
女子2 | わたしたち川に落ちて・・。 |
男子2 | おぼれていたはずだ・・。 |
*男子女子、顔を見合わせて | |
男子・女子 | たすかった〜!! |
*幕が閉まる。 | |
*語り部登場 | |
語り部1 | ああ、子どもたち助かっていがったなl。山の川は注意しなければなんね。みんなも、気をつけるべ。それにしても、助けてくれたのはいったいだれだべ?つづきを見てみっぺ。 |
第二章 露天風呂の妖怪 | |
*幕が開く | |
*ステージには星空が広がっている。 | |
*中央には露天風呂(ひな段)がある。 | |
*男子数人が湯につかって顔だけひな壇から出している。 | |
男子4 | いい湯だなぁ!さすが温泉で有名な町だけある。 |
男子5 | あぁ・・気持ちいい、ぼく露天風呂って初めてなんだ。 |
男子6 | 星があんなに近くに見える。 |
男子456 | いい湯だな♪アハハハン♪ |
*男子たち思わず歌い出す。 | |
*女子がお風呂セットを持って登場。 | |
女子4 | ○○くんたち!交代の時間がとっくに過ぎてるよ。 |
女子5 | この旅館の露天風呂は時間で男女が交代するって、先生が言ってたじゃない! |
女子6 | 男の子は、はやく出ろ〜! |
*女の子たち露天風呂に近づく。 | |
男子4 | わ・・わかったわかった・・あっちむいてて・・。 |
*女子、たち露天風呂に背中を向けて目をつぶる。 | |
男子5 | あと十分ね〜・・・。 |
男子6 | いや、あと二十分待っててね〜。 |
女子456 | 早く出てよ! |
男子456 | ま〜だだよ〜! |
女子4 | もういいわ! |
女子5 | 先生に言っちゃうから! |
女子6 | ○○せんせ〜い! |
*女子たち先生を」呼ぶために退場する。 | |
*男子、顔を見合わせて。 | |
男子456 | やった〜!ぼくたちの作戦勝ちだぁ! |
*そのとき、男子たち、湯船の中の異変に気づく。 | |
男子4 | な・・なんだこれ・・。ぬるぬるしている。 |
男子5 | おどかすなよ。○○くん。 |
*怪しい生き物が立ち上がる。カッパである。 | |
男子6 | お・・おい・・みんな・・うしろ・・うしろ見て。 |
男子456 | あ〜!!!カッパだ〜!!! |
*カッパは一人ずつ湯船に沈めていく。 | |
*男子たち助けを求めるが全員しずむ。 | |
*女の子たちもどってくる、 | |
女子4 | ○○くんたち! |
女子5 | 先生が呼んでるよ〜。 |
女子6 | きっとお説教だよ! |
女子4 | 君たちの林間学校は。 |
女子5 | これでおしまいさっ! |
女子6 | ○○くん・・・?あれ? |
女子4 | おかしいなぁ、もう出たのかな? |
女子5 | まぁ、いいや。それより露天風呂に! |
女子6 | 入ろう入ろう! |
*女子たち脱衣所に向かう。 | |
*重低音が聞こえる。(オルガン・シンセサイザー等) | |
*シャリン・・シャリン・・鈴の音が聞こえる。 | |
*再び武将、姫、従者が現れる。 | |
*武将と従者、刀を抜く。 | |
*湯船からカッパがとびだしてくる。 | |
カッパ | カッパ、カッパ〜! |
*武将、従者とカッパの戦いが始まる。姫はそれを見守っている。 | |
武将 | この地に巣くう妖怪め。我らが成敗してくれる。 |
従者 | 子どもたちに災いをもたらすでない! |
カッパ | カッパ、カッパ〜! |
*カッパは逃げ回り、姫を人質にする。 | |
姫 | あああ・・・。 |
従者 | 姫!・・・姫をはなせ! |
武将 | 姫!・・・・・もののけめ・・・卑怯なまねを・・・。 |
姫 | 私にかまわず、このもののけを討ちなさい。 |
*そこにクマが頭をかきながら、なぜか登場。 | |
*カッパの頭をコツンとたたく。再び頭をかきながら退場。 *カッパ頭をかかえる。 |
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*カッパに向かって武将と従者が突進、刀を鞘におさめ、空手チョップ一撃でたおす。 | |
カッパ | カッパ、カッパ〜!いて〜じゃねぇか、おまえら! |
*姫をはなし、ぶつぶつ言いながらカッパ退場。 | |
*武士と従者、男子を湯船から引き上げる。(露天風呂という設定なので、顔と腕だけが見えるように) *姫は子どもたちをいたわる。 |
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*鈴の音がする。 *武将・従者・姫、顔を見合わせてうなずく。そして退場。 |
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*ステージ暗くなる。 | |
*大道具を運び出し、ステージは旅館の一室となる。 | |
*子どもたちは語り部の話を食い入るように見つめて聞いている。 | |
第三章 林間学校の旅館にて | |
*語り部にスポットライト | |
語り部1 | 湯西には昔昔カッパがいたんだと。 |
語り部2 | 川で遊んでる子どもを見ると、いっしょに遊んでくれたんだと。 |
でも、わすらばっかりすっからマタギに退治されちまったんだと。 | |
語り部1 | 今でもカッパの生き残りがいっかもしんねぇなぁ。 |
語り部2 | みんなも、あんまり長風呂すんでねぇど。 |
語り部12 | カッパがくっからなぁ。 |
男子7 | ひえ〜・・もしかしたら、○○くんが見た生き物って。 |
女子8 | もしかして。 |
男子8 | もしかして。 |
女子9 | もしかしなくても。 |
男子9 | もしかして・・。 |
男子7 | カッパかも!! |
女子7 | カッパよ絶対!! |
男子8 | カッパだとすると。 |
女子8 | カッパに決定! |
男子・女子 | こわいよ〜! |
男子7 | でも、○○くんたちが川に落ちたときに助けてくれたのはだれ? |
女子7 | だれかが引き上げてくれたような気がしたって言ってたね。 |
男子8 | でも、気がついたときはだれもいなかったって・・。 |
女子8 | それもカッパだったのかな? |
男子9 | クマを見たって聞いたけど・・。 |
女子9 | まさかクマさんが助けてくれた訳じゃないよね。 |
語り部1 | みんなは、いろいろあぶねえめにあったんだなぁ。無事でよかったよかった。でも、助けてくれたのはだれだべ? 実はなぁ、あの人たちは湯西川の守り神なんだ。 |
語り部2 | いつでもここで子どもたちを守ってくれてんだ。 |
語り部1 | だ〜れにも見えねえんだ。もちろん湯西の子どもにも見えねえんだ。 |
語り部2 | でもな・・お天道様といっしょに、ず〜っと見守ってくれてんだ。 |
語り部1 | 子どもがあぶねぇめにあったときは・・・そぉっと助けてくれんだ。 |
語り部2 | みんなは、いろんな人や神様に守られてんだ。だから、命は粗末にしてはいけねぇど。 |
語り部1 | そして、いっぺー勉強して、立派な人になんだぞ! |
男子・女子全 | はいっ!がんばります! |
*語り部、子どもたち客席に向き直して。 | |
語り部1 | それでは、わんだぁらんどきっず3。ここらへんで。 |
語り部2 | イッチャーサッチャー、おえもうした。 |
*他の出演者一斉にステージ上に登場。 | |
*わんだぁらんどきっずテーマスタート。 | |
*全員が音楽に合わせて手拍子。 | |
*メンバー紹介等で客席に大きくアピール。 | |
*幕が閉まり音楽FD | |
○ | |
おしまい | |
注 | 湯西川には、クマさんはおりますが、妖怪は住んでおりませんので安心しておいでください。(筆者より) |
この脚本の著作権はFUKUDAにあります。 上演される場合はこちらへご連絡ください。 |
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