プリンセス・プリンセス第1話
少人数のための小さな劇
原作・脚本 福田 哲男
プリンセスプリンセス第1話 
おとぎ話や童話の中には、たくさんのお姫様(プリンセス)が登場します。
この物語は、そのプリンセスたちが一つのお話に参加します。彼女たちはそれぞれ物語の主人公です。つまり、この劇は全員が主人公なのです。
 さてさて、プリンセスたちが目をさましたようです。そっとようすをごらんください。
                      平成12年12月24日                               
 
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キャスト
○シンデレラ ○白雪姫 ○おやゆび姫 ○かぐや姫 ○おと姫 ○人魚姫 ○あかずきん
上演時間約15分
*幕が開く、七人のプリンセスたちは思い思いのポーズで止まっている。
プリンセスたちは、自分の物語の本を持っている。
*柱時計の音がなる。
幕が上がりきって、まずシンデレラが動き出す。
シンデレラ ふう・・・。やっとこの本からぬけだせたわ。あ〜あ、たくさんの人が読んだから、この絵本ボロボロになっちゃった。
白雪姫 あ〜よく眠ったわぁ。魔法使いのおばあさんがくれた毒リンゴって最高の睡眠薬よね。あら?シンデレラ。あなたも絵本から抜け出してきたの?
シンデレラ おはよう白雪姫。同じ物語の世界だけじゃ、なんだかあきちゃうんだもん。
*おやゆび姫動き出す。
おやゆび姫 まぁ、お久しぶり。どう?調子は?
白雪姫 そういうあなたは?・・・・・おやゆび姫さん?
おやゆび姫 そうよ。かわいいかわいいおやゆび姫!
シンデレラ
白雪姫
で・・・・でかすぎるわ!おやゆび姫!
おやゆび姫 気にしない気にしない!
シンデレラ
白雪姫
そ・・・そうね。気にしない気にしない。
*かぐや姫が動き出す。三人に気がついて。
かぐや姫 そちたちは、何者じゃ?わらわはかぐや姫・・・・。
おやゆび姫 あら、かぐや姫さんね。いらっしゃい。あなたも絵本からぬけだしてきたの?
かぐや姫 そう。竹取物語という日本の昔話からぬけでてきたのじゃ。
月の世界はたいくつでかなわん。うさぎはもちばかりついて、ちっとも遊んでくれない。
シンデレラ つ・・・月の世界って・・・・もしかして、
白雪姫 かぐや姫さんって・・・・
おやゆび姫 う・・・宇宙人・・・?
かぐや姫 なにをおっしゃいます。ほら、この通り人間です。 くわしくはわらわも知らないけど・・・。
*リズムのある音楽が流れる。
*おと姫が音楽にのって踊り出す。元気なお姫様である。
おと姫 はぁ・・・この踊り・・あきたわ。
やっぱり、パラパラよね〜。パラパラを覚えなくちゃ!
白雪姫 あら、竜宮城のおと姫様じゃない!あいかわらず素敵なダンスね。
おやゆび姫 さすが、おと姫様。リズム感がちがうね。
おと姫 そういうあなたは?
おやゆび姫 おやゆび姫よん♪
おと姫 おやゆび姫・・・・で・・・・でかすぎる・・・
シンデレラ
白雪姫
気にしない気にしない!
かぐや姫
おやゆび
気にしない気にしない!
おと姫 そ・・・そうね。気にしないようにするわ。
かぐや姫 あなたがあの有名な、おと姫様?
おと姫 そう!竜宮城は私のお城!ところであなたは?
かぐや姫 わらわの名前はかぐやにございまする。
おと姫 そ・・・そうでございまするでございまするか・・・。なんとお上品な方ですこと・・・。
かぐや姫 おと姫殿。ひとつ、質問がございます。
おと姫 なぁに?わたしでよかったらなんでもどうぞ〜!でも、年だけは聞かないで〜!
かぐや姫 おと姫様は、水の中でも息ができるのでございますか?
シンデレラ そうそう、私もそれ知りたかったんだぁ。
白雪姫 そうよね、海の中でタイやヒラメと生活できるんだから、きっと水の中でも息ができるんでしょ?
おと姫 ま・・・まぁね。私の絵本にもそこのところくわしく書いてないけど。
かぐや姫 やっぱり、そうでございましたか。長年の胸のつかえがとれました。
おと姫 ・・・でさ、あそこでまだ動かない人がいるんだけどだれだろう?
*おと姫、苦しまぎれに話をすりかえる。
*人魚姫が動き出す。人魚姫舞台中を泳ぎ始める。
おやゆび姫 おおおっ!動いた!
白雪姫 な・・・なんだか泳いでるみたい。
シンデレラ もしもし・・・・そこのお姫様・・・。
*人魚姫、聞こえない。
かぐや姫 もし・・・そこのお方・・・。
*人魚姫かまわずに泳いでいる。
おと姫 こら〜っ!!話をきかんかいっ!!
*人魚姫、ぴたっと止まる。
人魚姫 コ・・・コワイ〜!
おやゆび姫 こわがらなくてもいいのよ。私は、おやゆび姫。
人魚姫 デ・・・デカイ〜!!
シンデレラ
白雪姫
気にしない気にしない!!
かぐや姫
おやゆび姫
気にしない気にしない!!
白雪姫 で・・・・今、泳いでいたの?人魚姫さん。
人魚姫 うん。王子様の船を追いかけていたら、知らない間にここにきたの。
シンデレラ 王子様・・・。
白雪姫
おと姫
王子様・・・・!
かぐや姫
おやゆび姫
王子様・・・・!
おと姫 そうよ!王子様よっ!何か足りないと思っていた。
おやゆび姫 王子様ねっ!私たちプリンセスには、王子様がつきもの。
シンデレラ
おと姫
王子様〜!
白雪姫 王子様〜!
*姫たち、胸に手をあてて遠くを見る。かぐや姫わけがわからない。
かぐや姫 王子様とは、若殿のことですか?
人魚姫 そう、若い殿様。つまり、王子様よ。
かぐや姫 若殿様〜!
*かぐや姫胸に手をあてる。
*そこへ、どういうわけか赤ずきんちゃんがスキップをしながら登場。
赤ずきん ランラランララーン♪ランラランララーン♪ランラランララーン♪
*舞台をスキップで走り回る。
姫たち あら?みなさんこんにちは!
人魚姫 こんにちは・・・。あなたはだ〜れ?
赤ずきん 赤ずきんちゃんで〜す。
*姫たち、集まってこそこそ話をする。
シンデレラ なんで、私たちプリンセスの劇に赤ずきんちゃんが出てくるのよ・・。
おと姫 う〜ん・・・わからない。
白雪姫 きっと原作者の趣味じゃない?
おやゆび姫 きっと、世界名作劇場の絵本に私たち以外のお姫様がいないからよ。
人魚姫 まぁそういうことで・・・。
かぐや姫 赤ずきんとやら、おいくつですか?
赤ずきん ○さいでーす!
*また姫たちあつまってこそこそ話。
シンデレラ ○さいだって。
おと姫 まだ、子どもね。
白雪姫 私たちプリンセスの仲間に入るのは。
おやゆび姫 まだ、はやいんじゃないかしら・・・。
人魚姫 まぁ・・そういうことで・・・。
かぐや姫 これこれ、赤ずきんとやら。そなたは、どこかの姫か?
赤ずきん いいえ。お姫様じゃありませーん。おばあちゃんの家にこのお菓子をとどけに行くところで〜す。
かぐや姫 そ・・・そうですか。通りすがりの人なのですね。
赤ずきん そうで〜す!でも、なんでこんなところに集まっているの?
シンデレラ 私たちは、絵本の中からとびだしてきて。
白雪姫 ただなんとなく・・・・。
おやゆび姫 世間話を・・・・。
おと姫 う〜ん・・・どこまで話したっけ?
人魚姫 王子様の話!
かぐや姫 若殿の話。
おと姫 王子様の話をしていたら、突然あなたが出てきたってわけ。
赤ずきん なるほど、王子様ね。え〜と・・・。
*赤ずきん会場を見回す。突然会場の片隅を指さして。
赤ずきん あっ!いたいた!ほらあそこ!王子様よ!
*姫たち、赤ずきんの指さす方を急いでのぞきこんで。
おと姫 え!王子様!
おやゆび姫 どこどこ!!王子様はどこよっ!
赤ずきん ほら、あそこに・・・・・・・あ、ごめん・・・カボチャだった。
*姫たち倒れる。赤ずきんまた、ちがう方を指さして。
赤ずきん いたわっ!今度こそ、本物の王子様よっ!!ほらほらあそこっ!
*姫たち、赤ずきんの指さす方を食い入るようにのぞきこむ。
赤ずきん あ・・・・ごめん。ただのおじさんだったわ・・・。
*姫たち倒れる。
おやゆび姫 あなた・・・私たちプリンセスをからかっているでしょ!
赤ずきん ご・・・・ごめんなさーい・・・・バレた?
かぐや姫 まぁまぁ・・子どものいたずらですから・・・。
*かぐや姫、おやゆび姫をなだめる。
シンデレラ それにしても、私たちの王子様ってどこにいるのかな?
白雪姫 私の眠りを覚ましてくれる王子様・・・。
人魚姫 私が恋した王子様・・・・。
おやゆび姫 どこに行ったの?私の王子様〜!
おと姫 浦島太郎さんはおじいちゃんになっちゃったから、新しい王子様〜!
かぐや姫 若殿様〜!
全員 王子様〜!
*全員手を耳にあてて返事を聞くポーズ。しかし、何も聞こえない。
*赤ずきん、会場に向かって
赤ずきん 王子様〜!ここにいたら手を挙げてくださーい!
*少し間をおいて。だれかが手をあげたらそちらを向いて。
赤ずきん え?・・・・王子様って、もっとカッコいいのよ・・・・ 残念。
プリンセスの皆さん。やっぱり、ここに王子様はいないわ。
かぐや姫 若殿もいないか・・・。がっかりじゃ・・・。
シンデレラ まぁ、いいわ。絵本の中に帰れば素敵な王子様にあえるし・・・。
白雪姫 私の眠りを覚ましてくれる王子様も絵本の中。
おやゆび姫 そうね。王子様に会うには、絵本の中に帰ればいいのね。
かぐや姫 わらわも、月の世界に帰るとします。
人魚姫 わたしも王子様の船を追いかけなくてはいけないわ。
おと姫 わたしはどうするんじゃい??浦島太郎さんは地上に帰っちまったい!!
赤ずきん もしかしたら、もっと素敵な王子様をカメが運んでくれるかも?
おと姫 そうか・・・。カメの活躍に期待してわたしも帰るとしましょう。
姫たち 手を振りながら元の位置にもどる。
 
*全員。絵本の中に帰る。柱時計の音がして動きがピタリと止まる。

           
この作品の著作権はFUKUDAにあります。
上演の際には必ず御連絡ください。
 
                       THE END